「あれ、昔、イチローがオリックスに居た頃に、なんかめちゃくちゃ球が遅い投手が居たと思うんだけど誰だっけなぁ、名前が出てこない・・・」
・・・星野伸之だと思いますが、合ってます?
「あ、そうそう!星野だ、星野!確か120km/hぐらいのストレートしか投げられないんだけど、対戦打者が『星野はストレートは速い!』とか言ってたみたいで、なんかすげぇノビのある球なのかぁ・・・」
うーん、私は星野伸之がノビのあるストレートを投げていたようには見えなかったのですが、実際はどうなんでしょうね?
また、星野伸之はストレートの他にスローカーブを持っていましたから、ストレートと合わせて緩急をつけていたんですかね?
それとも、球が速く見えるのは「遅すぎるが故の皮肉」だったりしません?(笑)
「・・・なんか、今回は煮え切らない発言ばかりなんだけど・・・あ!星野については何も知らねーんだな!?」
いやいや知ってますよ、ただ、もったいぶってみただけです(笑)
星野伸之が速いストレートを投げていた理由はちゃんと押さえてあるので、そんなに焦らずにまずは、星野がストレートを活かして残していった成績でも見ていきましょうよ!
野球ファンのあなたも、星野伸之の成績を見れば「単純にボールが遅いだけじゃないんだ!」と気付くはずです!!
目次
星野伸之の成績は意外に好成績だったことを知って頂きたい!!
入団当時の酷評を挽回することができました!
意外性の投手だった星野伸之の球史を、
- 勝ち星を量産した、プロ1年目からプロ14年目
- スローカーブのように緩くなってきた、プロ15年目からプロ19年目の現役引退
の2つで見ていきます!
まずは、星野伸之のプロ1年目からプロ14年目までを見ていきましょう!
勝ち星を量産した、プロ1年目からプロ14年目
毎年2ケタ勝利の戦果をあげていました!
星野伸之は阪急にドラフト5位で入団し、当時は「こんなに体が細くて、しかもこんなにボールが遅い選手は成功しない!」という酷評を受けていました(悲)
しかし星野伸之はそんな酷評に負けることなく、プロ2年目(1985年)で一軍デビューを果たし、プロ4年目(1987年)には「11勝12敗、防御率3.87」と負け越しさえしましたが、同時に2ケタ勝利も達成しました!
また、プロ4年目以降は「11年連続で2ケタ勝利」を達成し、星野はチームのエースとして長年活躍していきました!
そうなんですよね、星野伸之は「モデル」のような体型だったので、骨折とか大丈夫なのか心配だったのですが、幸い大きなケガは無く、プロ4年目から14年目までは2ケタ勝利という戦果をあげ続けたんです!
ただ、防御率は平均で「3.00台後半」だったので、チームの援護率がよかったのかなーと私は思いました(汗)
勝ちに恵まれたモデル投手ということですかね(笑)
スローカーブのように緩くなってきた、プロ15年目からプロ19年目の現役引退
病気により、マウンドから降りることになりました・・・
プロ15年目(1998年)で星野伸之は「6勝10敗、防御率5.12」という成績を記録し、連続2ケタ勝利の記録がストップしてしまいました(泣)
また星野伸之は、15年目から衰えが見え始め、それでもプロ17年目(2000年)からは阪神にFAし、現役を続けましたが「5勝10敗、防御率4.40」とボロボロでした・・・
それでも星野は現役を続けようとしましたが、プロ18年(2001年)に「脈拍の病気」を患ってしまい、翌年には病気の影響もあり「現役引退」となりました・・・
まあ、病気ではちょっと現役続行は難しいですよね(汗)
この病気以外では本当に大きなケガが無く、先発ローテーションを守ってきた星野伸之にとっては「引導を渡す」病となってしまったと私は思います。
星野伸之の「11年連続で2ケタ勝利」は本当に賞賛に値する出来事ですよね!
確かにチームの援護に恵まれていた点もありますが、それ以上に本人が大きなケガをせず、安定感ある成績を毎年収めてきた結果が一番の要因だと私は思います!
星野伸之のケガが少なかった要因は「ストレートが遅かったから、腕の負担が少なかった」と思っている方もいるでしょう!
果たして、星野伸之のストレートは本当に遅かったのか一緒に見ていきましょうか!
星野伸之のストレートの体感は数値以上という言葉が一番似合う!!
独自の投球フォームで工夫を凝らしていました!
「ストレートが一番速かった投手は?」
と訊くと「清原和博」「タフィ・ローズ」「中村紀洋」などの有名強打者がこぞって、
「星野伸之」
と答えています!
私が星野伸之のストレートを映像で観た限りでは、決して速くはなかったですし、スピードガン通りの速度だと思いました!
では、何故、実際に星野伸之と対戦した打者たちが「速い」と言っているかというと、
「星野伸之の投球フォームに秘密がある!」
と私は予想しています!
星野伸之は、ボールをリリースする直前まで「手を折りたたんでいるので」リリースポイントが分かりづらくなっています。
従って、打者はどこからボールが出てくるか判定しにくい状態となり、気付いた時にはもうボールが放たれているので、ボールへの反応が遅くなってしまいます。
結果、打者が気付いた時に、ボールが放たれているということは「ストレートが速い」という錯覚を、打者に植え付けていたことになると私は思いました!
星野伸之が独自のストレートを確立できたのは「フォームで惑わすしかない!」という創意工夫から生まれた結果ではないでしょうか!?
ただ、星野伸之はコントロールが良くなかったので、なかなか厳しいコースにストレートを決めることが出来ず、甘いコースに入ることが多く、打たれてしまう場合が多かったらしいです(弱点)
それでも、星野伸之は通算奪三振数歴代21位「2041奪三振」の成績を持っていますから、やはり、星野のストレートは「一級品」だったのでしょう・・・
もちろん、星野伸之はストレートだけで三振を奪ってきた訳ではありません!
そこには「スローカーブ」という相棒が居ましたが、果たしてどんな活躍をしていたのか見ていきましょう!
星野伸之のスローカーブの曲がりは凄いことになっている!?
スローカーブの使用条件あり!?
星野伸之のスローカーブは、ストレートを活かす為の「緩急」用の球種では無く、スローカーブだけで全然勝負出来ていたと私は思っています!
変化量ですが映像で観ても「大きく山を描いて、見事に変化している」様子がバッチリわかります!
このスローカーブを星野伸之が「ボールゾーンからギリギリストライクゾーン」に入るように投げることによって、まず打者は反応できません!!
これに「速いと錯覚させるストレート」を混ぜ込むと、星野伸之が勝ち頭であったことがわかってきますよね!?
・・・しかし、前項でもお伝えした通り、星野はコントロールが良くないので、なかなかいいコースにスローカーブを決めることが出来ませんでした・・・
従って、積極的に振ってくれる打者(外国人選手など)であれば、星野伸之はスローカーブで三振を取れることが出来たと私は思いました(汗)
星野伸之のボールは基本遅いので、バットに当たってしまえば「球威で打球を弱める」ことが出来ないので、結構ホームランに繋がる一発が多かったんじゃないでしょうか?
ただ、上記の話はあくまで「最悪の場合」の話なので、基本はストレートと上手くコンビネーションを取りながら、三振、アウトを取っていったと思いますよ!
で、なければ「11年連続で2ケタ勝利」なんて無理ですからね(笑)
しかし、星野は勝ちを大量にとれるボールを、素手でキャッチされてしまったらしいのです!!
これが本当であれば、星野伸之にとって「屈辱的」な出来事なのですが、星野のスローカーブのようにゆっくりしていられないので、ここは急いで次の項へいきましょうか!
星野伸之の球は捕手が素手でも取れるようなボールなのか!?
残念ながら、取られてしまいました・・・
捕手というのは「キャッチャーミット」という分厚いグラブがありますから、基本はそれを使って投手の投げたボールを取るのですが、今回のパターンは「超例外」だったみたいです(笑)
これは、1990年9月20日のオリックス対日本ハム戦での出来事で、先発の星野伸之が投げたスローカーブが抜けてしまい、いつも以上におそーいボールになりました。
これを捕手の「中島聡」が「右手で直接」取ってしまい、中島が星野に返球したボールの方が速かったので、球場内は失笑に包まれたそうです(失笑)
その後、星野伸之は中島に対して「素手で取るなよ。」とご機嫌ななめでしたが、中島は「ミットに届かなかったんです!」と言いその場を切り抜けたみたいです(笑)
私はこの一件は、星野伸之にとってプラスだったのではないかと見ています!
「なんだよ、星野のボールって素手でとれる程、弱いのかよ!これからはビビらずにどんどん振っていこうぜ!!」
と、勘違いをした打者が結構いたはずです・・・(汗)
これによって、あまりコントロールがよろしくない星野には追い風となり、スローカーブにバンバン手を出し、三振してしまう選手(主に外国人選手)が増えたのではないでしょうか!?
実際に、ダイエーの「バナザード」という外国人選手は、星野伸之のボールの遅さによく星野本人に対して怒っていたそうです(とばっちり)
星野伸之は「外国人選手キラー」だったのかもしれませんね。
では、外国人選手キラーであれば、星野がメジャーに行っても成功していたんじゃないかという説が成り立ちそうですが、実際にはどうなんでしょうかね?
「もしも、星野伸之がメジャーリーガーになったら」を見ていきましょう!
星野伸之がもしメジャーに行ったらどうなっていた!?
期間限定での活躍ならアリ!?
まずは、実際に星野伸之がメジャーリーガーと対戦した結果がありますので、まずはこちらを見てもらいましょう!
1999年にイチローなどのチームメイトと共に「シアトル・マリナーズ」の春季キャンプに参加し、オープン戦で「サンディエゴ・パドレス」と対戦しますが・・・
先発投手としての星野の結果は、1回2/3を投げて3本塁打を食らい8失点と「滅多打ち」にされてしまいました(泣)
これでは私が勝手に名付けた「外国人選手キラー」の名がかすんでしまうのですが、1999年と言えば星野伸之はすでにプロ16年目ですからね、この年数だったら「大谷翔平」でも同じ結果ですよ(汗)
せめてプロ5、6年目辺りの「全盛期」で星野伸之がメジャーリーガーになったら「10勝10敗、防御率4.23」ぐらいは残してくれると思っています!!
ただその成績は1年目だけなので、2年目以降はメジャーリーガーの応用力にやられてしまい「5勝12敗、防御率6.11」ぐらいになってしまうのではないかと私は予想しました・・・
でも、これはあくまでも「私の独自予想」なので「もしも星野伸之がメジャーリーガーになったら?」の議論は、各々居酒屋等で議論してもらって、議論した結果を私に報告してくれると嬉しいです!
あ!もちろん、議論の場(飲み会)に誘ってもらっても全然オッケーなんですけどね(笑)
星野伸之の成績はストレートが武器!遅いのに速い?不思議な球は魅力的!!のまとめ
最後まで読んで頂きありがとうございます。
星野伸之の成績と投球内容を中心にお伝えしましたが、打者を抑え込むために工夫を凝らしていたことは知ってもらえたでしょうか?
星野伸之は「ただ遅いだけ」の投手では無く、自分の体型の不利を考えて「プロ野球で活躍する為にはどうする?」と知恵を絞りだし、記録に残る結果を残した「名投手」だと私は思います!
現在は、オリックスの一軍投手コーチですが、これからも野球と共にある人生を期待していますので、星野伸之氏の活躍を心から応援しております!!